トップページ

最賀正明の版画とばれんのホームページにようこそ

当ホームページでは、私が制作した版画の作品並びにばれんについてご紹介したいと思います。
作品の主体は黒版の一版摺りです。多色摺りでは色を重ねることで中間色や影を出すことが容易に出来ますが、黒版の一版摺りは明暗のみで表現する難しさがあります。特に物の陰影で、白と黒の中間的な明るさや暗さを如何に表現するかが重要となってきます。黒版の難しさの裏には奥深さがあり新たな発見があります。本ホームページに掲載された作品には制作した年号が表示されていますので、年代とともに作風が変化しているのがご覧いただけるかと思います。

まだまだ修行中の身ですので不完全な作品も多々ございますが、ご容赦のほどお願いいたします。

黒版の一版摺りの技法について

はじめに下絵を描きトレーシングペーパー等に下絵を移したのち左右を反転し、カーボン紙を使って反転した図柄を版木に転写します。図柄に沿って彫刻刀で彫っていきます。
黒の一版摺りは多色摺りと異なり、何も彫らない部分の黒と彫ったところの和紙の白を用いて図柄を構成し表現していきます。 従って黒い面に白い線を彫る、もしくは白い面に黒い線を残す線画の技法が中心となりますが、空や水の表現、また、木や石や建物の表面の質感を出すためには彫りぼかしの技法を使います。 
彫りぼかしは、版木の表面を0.1~0.5㎜の薄さで彫り、摺り上げた際の黒さを想定しながら彫る技法で、その彫る深さと彫り方によって微妙な陰影を出すことができます。
彫りあげた版木にローラーを使って黒インクを均等に伸ばした上に和紙を乗せバレンで摺り取ります。 バレンの摺りの強弱も作品の結果を大きく左右するものです。

インクを使う理由
木版画では通常墨を使って黒い部分を摺りますが、墨は水性ですので版木が湿り気を帯び、版木の表面が膨張するので、浅い彫りぼかしの再現性が難しくなります。
また、墨を版木に乗せる際は刷毛で伸ばすので、版木の表面だけでなく彫った部分も含めた表面全体に墨が付着するので浅い彫りぼかしの効果が出ません。
一方、インクはローラーで伸ばすことによって版木の表面だけに乗せることができますので、浅い彫りぼかしの効果が発揮できます。

おしらせ

投稿記事がありません。

» 続きを読む